CROSSBREED クロスブリード!

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西川美和監督「永い言い訳」が素晴らしい件

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あらすじ

人気作家の津村啓こと衣笠幸夫(きぬがささちお)は、妻が旅先で不慮の事故に遭い、親友とともに亡くなったと知らせを受ける。その時不倫相手と密会していた幸夫は、世間に対して悲劇の主人公を装うことしかできない。そんなある日、妻の親友の遺族――トラック運転手の夫・陽一とその子供たちに出会った幸夫は、ふとした思いつきから幼い彼らの世話を買って出る。保育園に通う灯(あかり)と、妹の世話のため中学受験を諦めようとしていた兄の真平。子供を持たない幸夫は、誰かのために生きる幸せを初めて知り、虚しかった毎日が輝き出すのだが…。

 

予告編

 
前情報全くなしで、奇しくも万引き家族を劇場で観た直後に観てしまい、
その内容のシンクロっぷりにびっくりでした。
それもそのはず、西川美和監督は是枝組だったんですね。
 
人生はままならない。その言葉の重みに耐えられそうにないテーマながら、
本木雅弘竹原ピストル、そして万引き家族同様に素晴らし過ぎる演技の子役2人の登場人物に降りかかる悲喜こもごもが、
ギリギリのバランスで暖かく描かれていて、たまらない気持ちになってしまいました。
 
そしてなんといっても、まさかの飲み会エンディング。最後まで最高過ぎる。
 
東京ポッド許可局が劇中に出てきていたり、
 
 
あかりちゃんが観ているアニメは完全に映画のために作られていたり(ああこれ聴くと色々思い出してしまう)、
 
 
西川美和監督のディティールに対するこだわりは異常なほど。それでいて、心理描写は一切セリフで語らせない行間を読ませる神のような脚本でした。
 
万引き家族を観た人も観てない人も、「永い言い訳」をアマゾンプライムまたはレンタルで観るべし、です。
 
永い言い訳

永い言い訳

 

  

2人でカレーを作って食べるシーン。
洗濯物を畳みながら、ちゃぷちゃぷローリーの主題歌を口ずさんでしまうシーン。
バスを寝過ごしちゃうシーン。
坂道を自転車二人乗りで登るシーン。
 

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たまらないシーンの連続でした。
 
真平は私立中学に行けたのかなあ、とか
お父さんとは和解できたのかなあ、とか
あーちゃんは小学校でおともだち出来たかなあ、とか
 
あの家族とその周りの人々に思いを馳せてしまいますね。 

 

 

永い言い訳 (文春文庫)

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