【追記あり】武正晴×山田孝之「全裸監督」が素晴らしい件
Netflixオリジナルドラマの超話題作8話を一気観しました。
「百円の恋」の武正晴監督ということで、面白くないはずはない。と思っていましたが、
予想を上回る面白さ!
村西監督が憑依したかのような山田孝之の全力の名演がすごいです。
実話ベースの作品ながら、
「これどこまでホントなの?」
と思うシーンの連続です。
詳細は以下より
あらすじ
会社は倒産、妻に浮気され絶望のどん底にいた村西(山田孝之)はアダルトビデオに勝機を見出し仲間のトシ(満島真之介)、川田(玉山鉄二)らとともに殴り込む。一躍業界の風雲児となるが、商売敵の妨害で絶体絶命の窮地に立たされる村西たち。そこへ。厳格な母の元で本来の自分を押し込めていた女子大生の恵美(森田望智)が現れる。ふたりの運命的な出会いは、社会の常識を根底からひっくり返していくのだった―。
予告編
山田孝之の憑依したかのような演技がすごい
途中で村西とおる監督にしか見えなくなること請け合いです。
ONとOFFの使い分けも素晴らしく、
「ビューティフル!」
「ナイスですね!」
などのおなじみのセリフもまったく違和感なく体現しているのに感心するばかり。
一歩踏み込んだストーリー
・アダルトビデオにはモザイクがかかっている
・本番行為を撮影することは違法
・マーガリンでモザイクが溶けるという都市伝説
・舞台の頃はバブル真っ盛り
世界190カ国同時配信だそうですが、このあたりの日本独特の文化や時代背景が物語に深く関わっていて、海外の方に理解できるのか、心配してしまいます。
80年代を再現したセットが半端ない

セットにとんでもなくお金がかかっています。それは素人目にも明らかでした。
"当時の新宿歌舞伎町を再現した屋内セットはどの位置、どの角度からも撮影できる制限のない製作環境が作られた。"
潤沢にお金がかけられるNetflixならでは、といったところでしょうか。監督も上記インタビューで
"クリエイティブな仕事を久しぶりに体験できた"
と言っていたのもうなずける場面が沢山でした。細かなディティールをもう一度観るのも楽しそうです。
山田孝之インタビューも大変面白かったです。
山田: 前科7犯、借金50億などが書かれた『全裸監督』の帯だけで決めました。この人は絶対面白い、この人の人生を歩んでみたいと思いました。
僕たちはただ表現したいだけでこの世界にいるのに、どこまで表現していいのかという葛藤が常にあったんです。制限の度が過ぎていると感じる中で、「いいですよ、やっちゃってください」と自由にやらせてもらえたのは単純にうれしかったですね。「(両手を挙げながら)やったー! やれやれー」って。
見どころ満載
4話でピエール瀧が結構重要な役で登場したり、リリー・フランキーと國村隼の悪役っぷりがすごかったり、板尾創路の先輩役が最高だったり、性描写が今までのどの映画よりもリアルだったり、岩崎太整の劇伴が素晴らしかったり、内容の濃さは半端なく、見どころ満載です。
海外から脚本のテコ入れが入ったからなのかわかりませんが、全体の構成がとても上手く、ウシジマくんのような「裏世界あるある」要素、アウトレイジのような「任侠あるある」要素、チームもの、青春ものの要素まであり、まったく飽きさせないつくりになってます。
何度も観たくなる名作がまた誕生しました。
全裸監督本編
Netflixオリジナル作品なので、Netflixでしか観ることはできません。
全裸監督関連作品
まず、板尾創路の先輩に色んな指導を受けるのは「ウルフ・オブ・ウォールストリート」だなあとか
ヤクザ関連のあれこれはもう完全にアウトレイジだなあとか、
そもそも、山田孝之×リリーフランキー×ピエール瀧といえば「凶悪」だなあとか
アダルト業界を面白く描いた作品 といえば「ブギー・ナイツ」「ラリー・フリント」だなあとか
全裸監督観終わったあとに是非観ていただきたいです。
あと、この作品の原作となる、「全裸監督 村西とおる伝」
も読んでみたいですね。
190826追記
あまりの話題に、次々と記事がアップされていますね。
プロインタビュアー吉田豪さんのインタビューがかなり面白かったです。
あと、村西氏の歴史をまとめた記事。監督のこれまでが簡潔に書かれていてとても良かったです。
AV業界に革命を起こした村西とおる氏 絶頂と転落の壮絶人生